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平素は、交通事故紛争処理センターの事業活動にご理解とご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。
当センターは、昭和49年(1974年)2月に、交通事故裁定委員会として発足して以来、自動車事故をめぐる損害賠償の和解あっ旋・審査の業務を行ってまいりました。この間、平成22年度末までに受付けた相談取扱い件数(新受件数)は、累計で約17万4千件に上り、その内、示談が成立したものは約10万5千件になります。最近では、当センターの取扱う事案において示談が成立する割合が徐々に増えており、その成立の割合は約8割となっています。
近年、自動車事故は事故件数、死亡者数、負傷者数ともに減少傾向にありますが、当センターの取扱件数は、いぜんとして高い水準にあります。このため、受付事務の段階で、交通事故についての一般的な事柄に関する問い合わせ・相談などは、そうした事柄を扱う他の交通事故相談機関に紹介し、あるいは、治療中であったり、後遺障害の有無・等級の認定手続が済んでいないため、損害額の算定ができる条件が整っていないなど、 和解あっ旋を行う段階に至っていない事案については、あっ旋をするために必要な条件について説明し、和解あっ旋手続の開始を待ってもらうなどして、事案の取扱いを整理しています。そうすることによって、当センターの人的・物的資源の効率的な活用を図り、和解あっ旋を希望する多くの利用者の実際のニーズに迅速に応え、社会から期待されているサービスを提供したいと考えています。
当センターでは、受付相談件数の増加、裁判外紛争解決機関への社会的期待の高まりに対応するために、センターの組織運営の改善も行ってまいりました。そのひとつは、運営の透明性を高めるという観点から法律相談、和解あっ旋及び審査に関する業務にかかわる諸規定の見直しであります。
さらに、当センターの事案業務処理の省力化、記録保存の徹底を図るために、事務処理業務を含めて当センタ ー全体の業務について相談業務管理システムを導入しております。これにより、当センターの本部・支部・相談室を通じて、全国統一的で、かつ、迅速なサービスが提供できるよう努めてまいりたいと考えており ます。
さて、 当センターは、内閣総理大臣から公益財団法人として認定され、平成24年4月1日より財団法人から公益財団法人へ移行しました。
あらためて公益財団法人として社会的責任を認識し、交通事故に関する無償の法律相談、和解あっ旋及び審査業務を通して、交通事故被害者の公正かつ迅速な救済を図り、より一層公共の福祉の増進に寄与することができるよう努めてまいります。
当センターに対するニーズが高まる一方で、社会環境は急速に変化しています。ADR促進法や金融ADRとい った裁判外紛争解決機関に関する動向を含めた当センターを取り巻く新しい環境に適期に適切に対応しつつ、当センタ ーの使命を果すべくさらに努力してまいる所存ですので、今後とも当センターの事業運営について、皆様のご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
平成24年4月
理事長 新美 育文
(明治大学法学部教授)